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■特集 パキスタン編 核の現状と展望
援助 大国の思惑が働く '05/4/11

 パキスタンは、独立以来、歴史の半分を軍政下で過ごしている。二〇〇二年に総選挙を実施し、形式的に民政移管したが、実権は一九九九年に軍事クーデターによって就任した陸軍参謀長兼務のペルベーズ・ムシャラフ大統領が握っている。

 パキスタンが、国際社会の監視の目を逃れ、核開発を進めることができた背景には、米国や中国の存在がある。

 七九年、旧ソ連がアフガニスタンに侵攻すると、米国は反共勢力を支援する拠点として、パキスタンに年間五億ドルの経済援助を実施。核開発にも、事実上目をつぶった。

 しかし、八八年四月にソ連がアフガンからの撤退に合意すると、米国にとってパキスタンの戦略的価値は下がり、今度は核兵器開発の中止と民主化を求めるようになった。

 米国からの経済援助が途絶えたパキスタンは、中国の援助を受けながら開発を続けた。この時期に核弾頭を搭載するためのミサイル開発も進めたとされる。

 パキスタンが再び米国の「友好国」の地位を獲得したのは、〇一年の米中枢同時テロ後である。タリバン政権を支援し、米国との距離を広げていたムシャラフ大統領は、米国がアフガニスタンへの空爆を開始すると、「対テロ戦争」支援を表明。米国は、核実験を理由に加えた経済制裁を解除した。

 カイデ・アザム大学院大教授で物理学者のペルベーズ・フッドボーイさん(55)は、核軍拡競争を続ける印パ両国に警鐘を鳴らすドキュメンタリー映画を、〇一年に制作した。

 イスラマバードのホテルで作品を観賞したメンバーにフッドボーイさんは、核開発など国の歳出の半分以上が軍事関連に費やされている現状を指摘。「パキスタンの三人に一人は貧困に苦しんでいる。経済制裁解除が必ずしも国民の生活向上につながっていない」と実情を話した。


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