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■特集 米国編 次代へ伝える
アメリカン大学 '05/6/24

 ◆原爆投下に疑問の声も

 一九九五年、首都ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館で計画された原爆展が、退役軍人協会などの圧力で中止に追い込まれた。これを契機に、原爆投下を正当化する声が高まったその年の七月、同博物館に替わって原爆展の開催に踏み切ったのが同じ首都にあるアメリカン大だった。

 同大核問題研究所所長でもあるピーター・クズニック准教授(56)が担当する歴史の教室で大学生、大学院生の四十五人を対象に、ミッションメンバーが被爆体験などを語った。

 「原爆投下に罪を感じないようにアメリカ人が育てられていることを、どう感じますか」。大学院生から質問が飛んだ。スティーブ・コラックさんは「被爆者はアメリカ人を責めず、将来の平和を追求している」と代弁した。

 大学院生が手を挙げた。「日本人は原爆や平和をどのようにとらえ、子どもたちに教えていますか」。木村峰志さんは「広島の学校は被爆者を招いて証言を聞いたり、平和記念公園を見学するなど熱心に取り組んでいるが、他県はあまり盛んではない」と答えた。

 毎年八月に学生数十人を引率して広島・長崎を訪れるクズニックさんは「広島を訪れる修学旅行生が減っている」と追加で説明。さらに「日本はイラクに自衛隊を派遣しているが、平和憲法に反するのでは、との論議も起こっている」と、被爆国日本の平和への姿勢が揺れている実情を紹介した。

 授業後、クズニックさんは「若者の間では、アメリカン大に限らず原爆投下を正当化する声は少ない」と指摘。昼食の食卓をともに囲むメンバーに「被爆二、三世が平和を語るのは素晴らしい。被爆者に米国へ来てもらえなくなる日は遠くない。その日に備えて、広島の若者がもっと声を上げてほしい。私も学生を広島に連れていきます」と話していた。

【写真説明】クズニックさん(左端)のコメントを加えながら、原爆被害の実態をアメリカン大の学生たちに説明する木村さん(左から2人目)らメンバー


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