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■特集 米国編 次代へ伝える
スチーブンソン高校 '05/6/24


 ◆不拡散教育の拠点

 国連が普及に力を入れる「不拡散教育」。その実践に取り組むカリフォルニア州ペブルビーチの私立スチーブンソン高校を訪れた。

 全米オープン選手権が二〇〇〇年に開かれたゴルフコースもある高級リゾート地。深い森の中にホテルを思わせる立派な校舎があった。

 平和ミッションの平和授業には八十人が出席した。松島圭次郎さんは被爆体験を語った後、「核超大国の若い世代が、平和な未来への責任を握っている」と呼び掛けた。

 男子生徒の一人が「どうやってアメリカ人への憎しみを乗り越えましたか」と質問。松島さんは「終戦までは、私も憎んでいた。でも進駐してきた占領軍の若い兵士はいい人だった。原爆は憎むが、人は憎まず、将来への和解を目指す。それがヒロシマの考えです」と答えた。

 授業後、スティーブ・コラックさんをつかまえて話し込む生徒がいた。一年のディラン・アイシェンバーグ君(14)。「テロリストが放射性物質を奪い、悪用する危険が高まっている。管理と情報収集の体制づくりを急がなくては…」。少年の広い知識としっかりとした主張に、コラックさんは驚いた。

 生徒の核問題への高い関心は、不拡散教育の成果である。同校は全米の不拡散教育の拠点である、近くのモントレー国際大学院不拡散研究センターと連携している。

 同センターは、核や大量破壊兵器の不拡散に関連するテーマについて、研究方法や情報、インターネット上での教育資料の検索方法などをスチーブンソン高へ提供。それを基に、生徒は授業やサークル活動で核を悪用するテロ、ミサイル防衛、大量破壊兵器などの研究を独自に重ねる。

 毎年春、生徒の代表は同センターが米国内で開く「春期高校会議」に参加。全米と全ロシアから参加する二十数校の生徒が、互いの研究成果を発表する。

 同センターのウィリアム・ポッター所長(57)は「次代を担う若者の中から、不拡散や軍縮の専門家を育て、平和の構築を目指したい」と、不拡散教育の意義を説いた。

【写真説明】スチーブンソン高の生徒たちに、被爆当時の状況を身ぶりを交えて英語で説明する松島さん(右から3人目)


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