ヨーロッパ

反戦博物館(ドイツ)

(09年11月 4日)

◆館長 トミー・スプリー

 1925年にベルリンの中心街に最初の反戦博物館を開いた平和主義者で反ファシスト主義者のエルンスト・フリードリヒ(1894〜1967年)ゆかりの博物館。孫の私をはじめとする教師グループが1982年に設立した。戦争や平和関連の資料を展示し、若者を対象にした平和教育やフィルム上映などで平和主義を広めている。

 フリードリヒは当初の反戦博物館に第1次世界大戦の資料や写真を展示し、戦争の恐怖を訴えようとした。だが33年、ナチス突撃隊が博物館を破壊し、隊の拠点へと変えてしまった。フリードリヒはその活動でナチスに裁かれ、13の有罪判決を受けた。

 現在の新しい反戦博物館は第1次、第2次世界大戦にまつわる資料や文献を展示している。フリードリヒが当初の博物館で展示していた巨大な爆発弾のポスターや十字架の形をした鉄製バター製造器もある。

 別の部屋では原子爆弾や化学兵器、地雷に関する展示を行っている。付属する平和ギャラリーでは、戦争と平和をテーマにした芸術家たちの作品を紹介。地下室には歴史的な物品を備えた防空壕(ごう)の実物がある。

 当館のボランティアたちは、憎悪や武器のない世界を築くために役立ちたいと考えている。相互理解、平和維持、自然保護のための新しい方法を編み出そうと願っている。

住所 Bruesseler Str.21-13353 Berlin Germany
電話 +49-30-45490110
ホームページ  http://www.anti-kriegs-museum.de/
休館日 クリスマス、年始
入館料 無料

(2009年10月19日朝刊掲載)


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ベルリンの反戦博物館。市民から寄せられた資料も展示している


1925年にオープンした最初の反戦博物館


エルンスト・フリードリッヒ