ヨーロッパ

フローレンス・ナイチンゲール博物館 (英国)

(10年10月 8日)

◆館長 キャロライン・ワージントン

 ロンドンの聖トーマス病院の敷地内にある当館は、クリミア戦争の前線で負傷兵の看護に当たったフローレンス・ナイチンゲール(1820〜1910年)の功績をたたえる。没後100年に当たる今年、140万ポンド(約1億9千万円)の改修費をかけ、彼女の誕生日である5月12日に改装オープンした。

 ここは彼女が看護訓練学校を設立した場所でもある。彼女の裕福な子供時代から始まる当館の展示は、彼女が野戦病院で危機にどう対応したかを紹介。祖国や海外の医療改革にたゆまず取り組んだもう一つの顔も伝える。さらに、彼女に触発されて後に続いた今日の看護師たちについても紹介している。

 来館者は聴診器を受け取って所定のスポットに当てることで、ナイチンゲール自身や同時代の人たちの声を聞くことができる。クリミア戦争に持参した薬箱、彼女がポケットの中で遊ばせていたペットのふくろう「アテナ」のはく製なども収蔵している。

 病院衛生や看護師訓練は現代でも重要な課題。ぜひ多くの方に足を運んでいただき、ナイチンゲールの偉業を知ってほしい。


住所 Gassiot House,2 Lambeth Palace Road,London,SE17EW
電話 +44 20 7620 0374
ホームページ http://www.florence-nightingale.co.uk/cms/
休館日 聖金曜日(復活祭前の金曜日)、12月25、26日
入館料 一般5.8ポンド(約770円)

(2010年10月4日朝刊掲載)

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クリミア戦争中、ナイチンゲールが看護士総責任者として勤めたスクタリ病院で使用されたトルコランプ(ランタン)


フローレンスが今日の看護に遺した功績を伝える一周にわたる写真や映画


ロンドンのサウス・バンクにあるフローレンス・ナイチンゲール博物館