日本

広島平和記念資料館(広島市中区)

(08年1月25日)

◆学芸担当主事 山田恵

 1945(昭和20)年8月6日午前8時15分、広島は世界で初めて原子爆弾による被害を受けました。街は破壊され、多くの人々の生命が奪われました。かろうじて生き残った人も、心と体に大きな痛手を受け、多くの被爆者が今なお苦しんでいます。

 広島平和記念資料館(原爆資料館)は、原子爆弾による被害の実相を世界中の人々に伝え、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に寄与することを目的に、55年8月24日に開館し、53年目を迎えました。資料館には、修学旅行生をはじめ国内外から多くの人が訪れ、2006(平成18)年度には約124万人が入館しました。

 資料館は東館と本館の二つの建物で構成。東館では、被爆前の広島の歴史、原爆が投下されるまでの経緯、戦後の復興への歩みと現在の核兵器をめぐる世界の状況などを紹介しています。年2回の企画展なども開きます。

 本館では、原爆の熱線や爆風で傷ついた衣類などの遺品や被爆当時に撮影された写真や映像を展示し、あの日、広島で何が起ったのかを生々しく伝えています。

 また児童・生徒を対象に、被爆者による被爆体験講話会や原爆記録上映会を実施するほか、平和学習のための資料の貸し出しもしています。

 一人でも多くの人が資料館を訪れて、核兵器廃絶と世界恒久平和を実現するために自分に何ができるのかを考え、行動するきっかけになればと願っています。

住所 広島市中区中島町1の2
電話 082-241-4004
ホームページ http://www.pcf.city.hiroshima.jp/
休館日 年末年始(12月29日-1月1日)
入館料 大人(大学生以上)50円、小・中・高生30円

(2008年1月21日朝刊掲載)

※写真はクリックすると大きくなります。
 


館内には被爆した資料420点が展示されている


原爆資料館は平和記念公園内にある。向かって左が本館、右は東館


原爆が投下される前と後の中島地区(現在の平和記念公園周辺)の様子を再現した


世界の核状況を解説しているコーナー