日本

堺市立平和と人権資料館(大阪府)

(10年4月 7日)

◆堺市人権部人権企画課 橋本隆之

 堺市の人権擁護都市宣言と非核平和都市宣言決議の趣旨を踏まえ、戦争の悲惨さ、平和の尊さ、お互いの人権を尊重することの大切さを訴え、次世代に伝えることを目的として、1994年にオープンした。

 資料館の愛称は「フェニックス(不死鳥)」。応永の乱(1399年)大坂夏の陣(1615年)堺大空襲(1945年)の3度にわたって壊滅的な打撃を受けたにもかかわらず、そのたびに人々の努力により復興を果たしてきた堺の歴史に由来している。

 展示のメーンテーマは「いのちの大切さ」。人権、環境、平和の3ゾーンで構成している。映像や実物資料展示を多用し、子どもから大人まで、見て、聞いて、感じながら平和や人権について分かりやすく学ぶことができる。

 人権や環境ゾーンはグラフィック展示などにより、違いを認め合って尊重し合うこと、地球環境を未来世代に引き継いでいくことの大切さを訴えている。

 平和ゾーンには「ジオラマファンタビュー」を設け、一夜にして1800人余りの生命が奪われた堺大空襲の体験を臨場感あふれる映像で再現している。第2次大戦中の市民の暮らしをしのぶ物品や、3度の戦禍を示す焦土層の展示もある。再び戦争の惨禍を繰り返すことのない平和な社会の実現を訴えている。

住所 堺市中区深井清水町1426 堺市教育文化センター内
電話 072―270―8150
ホームページ http://www.city.sakai.lg.jp/city/info/_jinken/
休館日 月曜、祝日、年末年始、館内整理日など
入館料 無料

(2010年4月5日朝刊掲載)

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映像も交えた環境ゾーンの展示


戦時下のまちの様子などを伝える平和ゾーン


壁の穴から後ろの壁のイラストをのぞく展示で、全体像とその一部分の違いを知る


模型と映像を組み合わせ、堺大空襲の悲劇を追体験する装置『ジオラマ・ファンタビュー』


三度の戦禍を示す焦土層