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峠三吉の素顔紹介 原爆資料館でシンポ '07/7/1

 ▽妻への愛情 友人ら語る

 「にんげんをかえせ」の詩句で知られる「原爆詩集」を著した峠三吉(一九一七―五三年)の人物像に迫るシンポジウムが三十日、広島市中区の原爆資料館東館であった。「広島に文学館を!市民の会」などが主催し、市民約九十人が参加。ゆかりの人たちが素顔を語った。

 峠と交流があった詩人御庄博実さん(82)=安佐南区=や、市民の会メンバーで歌人の相原由美さん(68)=南区=たちが、峠の生前の様子や資料などを紹介。創作や被爆者救済運動に奔走する一方、妻や動物へ愛情を注ぐ一面を浮かび上がらせた。

 御庄さんは「彼のアパートで『原爆詩集』の感想を語り合った。強さの中に命をいとおしむ優しさがあり、たおやかなロマンチストだと感じた」などと振り返った。

 シンポは、峠の自筆草稿などを公開している原爆資料館東館での資料展に合わせて企画。十四日午後二時から同館で、原民喜と峠三吉について映像でたどる集いも予定している。(森田裕美)

【写真説明】峠三吉の素顔を紹介し、語り合う正面左から相原さん、御庄さんら


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