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市民球場で8・6公式戦を 広島市が球団と協議 '07/8/5

 広島市は、一九五八年を最後に原爆の日(八月六日)に開催していない市民球場(中区)でのプロ野球公式戦を球場最終年の来年、半世紀ぶりに「復活」させようと検討している。広島東洋カープともすでに協議。来年の日程が未定のため流動的だが、復興のシンボルである球場で、カープの試合を通して、平和のすばらしさをかみしめてもらいたいとの思いを込める。

 市職員は原爆の日は条例で業務は休み、球場も規則で「休場日」となっている。球場管理事務所によると、原爆の日に公式戦があったのは球場がオープンした五七年と翌年だけ。以降はこの時期にカープの地元戦が入っても、六日は福山市など近隣の球場に移動するなどしてきた。

 二〇〇九年に新球場(南区)が完成し、来年が市民球場の最終年になるため、五十年ぶり復活のアイデアが浮上した。実現すれば、応援団にトランペットや太鼓など鳴り物の自粛を呼び掛ける方針。竹本久男所長は「平和だから野球ができる、と全国に発信するいい機会になる」と実現に期待を寄せている。

 カープの鈴木清明球団本部長は「原爆の日に市民球場で試合をするのは来年が最後のチャンスになる。全国から多くの方が集まる日でもある。ただ、まだ来年の日程が分からない段階で、北京五輪で(プロ野球の公式戦の)日程がどうなるかも決まっていない。球団としては日程が取れればやりたい」としている。(岡田浩平、五反田康彦)


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