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笠岡の被爆者、体験を絵本に 証言を交え核廃絶訴え '08/7/26

 笠岡市の平和と人権を考える集いが二十五日、市民会館であった。市原爆被爆者会事務局長の土屋圭示さん(80)=同市富岡=が広島での被爆体験をまとめた絵本「ピカドンの恐ろしさを体験して」を披露し、原爆の悲惨さを訴えた。

 土屋さんは特攻隊員として広島湾の江田島にいた十七歳当時の八月六日、原爆の閃光(せんこう)を見て、爆心地近くに入り一週間、救援活動をした。

 集いでは約六百人を前に、絵本(A4判、三十三ページ)の中の、大やけどをした被爆者の列の絵など全十六枚を映写。「水をくださいと言いながら子どもたちも死んだ」「黒い雨も浴び、頭髪も抜け、いまも病気に困っている」などと証言した。

 里庄町の里庄東小二年田原詩織さん(8)は「河原で死体を焼く絵が怖い。世界から原爆をなくしたい」と話していた。

 土屋さんは二〇〇六年に渡米し反核集会で証言した際、記憶を基に作った紙芝居への反響が大きかったため、水彩画四枚を加え、文章もつけて自費出版した。

 土屋さんは「大勢の人に聞いてもらい手応えを感じた。核廃絶に絵本を役立ててほしい」と話す。千冊作製し千円で販売。土屋さんTel0865(67)0421。

【写真説明】絵本を映写し原爆の悲惨さを語る土屋さん


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