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被爆後の写真、資料館で公開 廿日市の故中前さん撮影 '08/7/31

 一九四五年九―十月に広島市中心部を撮影した写真が原爆資料館(中区)に寄贈され、三十日、同館で始まった新着資料展で十点が公開された。撮影者は廿日市市の故中前義美さん(九八年、八十一歳で死去)で、救護活動の合間にカメラに収めていたという。

 撮影場所は広島市の旧中島地区(現在の平和記念公園)周辺とみられる。原爆ドームをはじめ、建物の一部だけをとどめるカットや、折れ曲がった電柱や橋げたが落ちた本川橋などがある。広島で原爆の威力を確認するために調査に回った「米戦略爆撃調査団」が付けた識別番号が写った倉庫の写真もある。

 製材業を営んでいた中前さんは被爆直後の四五年八月七日、広島市内に入った。十月まで被爆者の救護活動に従事したという。次男の義博さん(67)=廿日市市=がアルバムで保存し、昨年十月に十一点を寄贈。「一瞬にして街ががれきの山に変わったことを写真は伝えている。後世に残そうという父の思いを知ってほしい」と話している。(岩成俊策)

【写真説明】被爆1、2カ月後の撮影とみられる写真に見入る来館者


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