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被爆証言講話会始まる 原爆資料館 '08/8/3

 原爆資料館(広島市中区)で二日、来館者が自由に聴講できる「被爆証言講話会」が始まった。初日は広島大名誉教授の北川健次さん(73)=広島市佐伯区=の体験に、約六十人が聞き入った。今年で二年目。昨年が好評だったため日程を拡大する。(岩成俊策)

 北川さんは爆心地から約一・三キロの竹屋国民学校で被爆。十日後に戻った実家(中区八丁堀)は全焼し、母と弟の遺体を見つけた記憶を語った。「核保有国が多数ある。平和都市広島の精神を世界に発信しなくてはならない」。北川さんの訴えに、家族連れや若者は沈痛な面持ちで聞き入っていた。

 神戸大震災で教え子を失った小学校校長小坂明さん(52)=神戸市=は「街は復興しても心の痛みは簡単に癒えない。痛みを発信することで未来につなげようとする姿勢に感動した」と話していた。

 講話会は昨年初めて開催した。参加者数が五日間で延べ千五百人と好評で、今年は十日までに、計七日間の開催を予定している。


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