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原爆題材に浄瑠璃 野沢さん披露 広島の児童が作詞 '08/8/4

 原爆の焦土に咲いたカンナの花をモチーフに、広島市内の小学生が作詞した浄瑠璃が三日、中区の市まちづくり市民交流プラザで披露された。東京の歌舞伎三味線奏者、野沢松也さん(52)=東区出身=たちが募集し、曲をつけた。児童の平和へのメッセージが三味線の音色と共鳴した。

 約百人を前に、野沢さんが九作品を弾き語りした。「黒い大地に根を張って、人の心に咲きました」「絶望の広島に笑顔をくれた」…。五行程度の短い詩が、情緒あふれる演奏と声で表現された。

 野沢さんと作家橘凛保さん(50)=東京=が六月、原爆資料館(中区)に展示されているカンナの写真を題材にした創作浄瑠璃を白島、本川、戸坂小で上演。その際に児童に作詞を呼び掛け、約二百五十作品が集まった。

 この日は入賞の表彰式もあり、本川小六年の佐々木史也君(12)は「復興に向けた力強さを表現できた」と喜んでいた。野沢さんは「子どもたちの平和を願う素直な気持ちがよく出ていた」と話していた。(金刺大五)

【写真説明】被爆地に咲いた花を題材に、児童が作詞した浄瑠璃を演奏する野沢さん(右から2人目)


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