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タイ人作家が広島訪問 平和公園見学「被害に胸打たれた」 '08/8/5

 テレビ司会者としても活躍するタイ人作家ジップ・ジュンさん(57)=バンコク市=が四日、取材のため初めて広島市を訪れた。八日まで滞在し、帰国後はメディアを通じて被爆の実相を伝える。

 被爆二世で県被団協(金子一士理事長)事務局次長の大中伸一さん(58)の案内で平和記念公園を巡った。原爆ドームや慰霊碑を見学し、当時の惨状について説明を受けた。ジップさんは「本だけでは知り得なかった被害に胸打たれた」と丹念にメモを取っていた。

 昨年、タイを訪れた日本被団協原爆被爆者中央相談所理事、西本多美子さん(67)=金沢市=たちをテレビ番組に招き、被爆体験を聞いた。紹介されたタイ語版の漫画「はだしのゲン」も熟読。「自分の目で被爆地を見たい」と望み、西本さんたちの招待を受けた。

 タイ南部では、武装化したイスラム教徒と政府の紛争が続く。現地取材もするジップさんは「広島の歴史を伝え、戦争の愚かさを知らしめたい」と強調。滞在中は平和記念式典や「はだしのゲン」の原作者、中沢啓治さんも取材する。(田中美千子)

【写真説明】原爆ドーム前で大中さん(右)の説明に聞き入るジップさん(中)


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