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被爆ピアノに平和誓う 笠岡のコンサートに250人 '09/8/4

 ヒロシマの被爆ピアノによる平和コンサートが2日、笠岡市保健センターであり、市民ら約250人が聴いた。市非核平和都市宣言啓発実行委が市平和祭として催した。

 大阪府在住のピアニスト山田紗耶加(さやか)さん(52)が、爆心地から約1・8キロの民家で爆風を浴びたピアノを奏でた。平和を願う自作曲「小石の涙」「綿のぼうし」など約10曲を披露。来場者はスクリーンに映る戦争被害などの写真を見ながら耳を傾けた。

 ガラス片が刺さった跡が残るピアノに子どもたちが触れる時間も設けられた。井原市青野小5年三島愛理さん(11)は「鍵盤が軽く年月を感じる。私も世界平和に役立つよう努力したい」と話した。

 第2部では、衛生兵として被爆後の広島市で救護に当たった笠岡市金浦の藤井正夫さん(84)が校庭で女生徒を火葬した経験などを語った。「かわいい子たちが無念を抱いて死んでいった」と声を詰まらせ、不戦と核兵器廃絶を訴えた。(杉本喜信)

【写真説明】山田さん(手前から2人目)の説明を受けながら被爆ピアノに触れる子ども


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