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壁面に201枚の陶板「平和の礎」 広島・安芸区の原爆特養入所者ら '09/8/5

 原爆特別養護ホーム「矢野おりづる園」(広島市安芸区)は、入所している被爆者たちの願いを刻んだ陶板モニュメント「平和の礎」を園内に設置した。広島平和記念都市建設法の公布60周年を記念し、平和メッセージを発信する新たなシンボルとして造った。

 「世界に鳴り響け 広島の魂」「三度許すまじ原爆を」…。19センチ四方の陶板パネルには、被爆者たちの願いや思いが並ぶ。

 入所者の森田みつえさん(91)は「被爆直後の広島の光景は一生忘れられない。多くの人に見てもらい、戦争が二度とない世界にしたい」との思いを込め、「祈 平和」と陶板に刻んだ。

 同園は2007年4月の開所以来、「平和の礎」の設置を計画してきた。陶板1枚5千円で希望者を募り、5月に岡山市の陶芸研究家池田美勝さん(75)に制作を依頼。入所者45人をはじめ、職員や取引業者たちが計201枚にメッセージを刻んだ。

 7月下旬に駐車場そばの壁面に陶板を張り付け、縦60センチ、横約7メートルのモニュメントが出来上がった。同園の柿木田勇施設長(64)は「今後も市民から思いを募り、千羽鶴にちなんで千枚の陶板を並べたモニュメントにしたい」と話している。(小山顕)

【写真説明】入所者たちの平和を願うメッセージを刻んだ陶板モニュメント


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