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ガラスで1/100原爆ドーム 細部まで忠実に再現 '09/8/5

 ステンドグラス工芸作家で被爆者の寺尾興弘(おきひろ)さん(68)=広島市安佐南区=が、原爆ドーム(中区)の100分の1サイズの模型を制作した。

 作品は縦50センチ、横60センチ、高さ30センチ。赤や青、灰色など14色のガラスを使った。原爆ドームの写真を集め、頻繁に現地に足を運び、鉄骨の曲がり具合やれんがのくすんだ色合いなど忠実に模した。

 寺尾さんは、爆心地にほど近い中区本川町で暮らしていた。原爆投下の約半月前、父の実家がある安佐南区祇園町に家族で疎開。原爆の被害は免れたが、命の重みをかみしめながら生きてきた。

 靱帯(じんたい)の機能が衰えていく難病を患う寺尾さん。指先が自由に動くうちに、作品を通じて平和の尊さを伝えるため、1月から制作を始めた。「多くの人に見てもらいたい。平和教育などに活用してほしい」。無償で寄贈する先を探している。(浜岡学)

【写真説明】ステンドグラスで制作した原爆ドームの模型を前に、幼い日の記憶をたどる寺尾さん


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