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被爆者の思い、後世に 福山原爆被害者の会 '09/8/7

 福山市原爆被害者の会(広中正樹会長、793人)は今年から、被爆体験を語り継ぐため、2世の会員が証言ビデオの撮影に乗り出す。被爆者の高齢化が進む中、将来の活動を支える2世自身が体験を聞き取る。6日に開いた市原爆死没者慰霊式の模様も記録。会の活動と、平和を願う思いを次世代へつなぐ態勢づくりを急ぐ。

 2007年7月に結成した2世部会には、30〜60歳代の145人が参加する。6日午前8時から霞町の原爆死没者慰霊碑前で開いた今年の慰霊式には、2世部会の役員8人が事前の準備に初めて加わった。当日までの役割を分担し、会場運営の手順などを学んだ。

 新たに60人の名前が死没者名簿に書き加えられた慰霊式。追悼の言葉を述べた広中会長(69)は「2世の全面的な協力により慰霊式ができることを大変うれしく思う」と報告し、「原爆体験の継承、核兵器廃絶、平和運動につながると確信する」と期待を込めた。2世部会の村上肇さん(45)がその姿を撮影した。

 証言の記録は、語り部活動に携わる被爆者を中心に協力を呼び掛ける。具体的なスケジュールは今後詰める。2世部会長の塚本裕三さん(51)は「勉強しながら、親や先輩の思いを引き継いでいきたい」と話す。(伊藤敬子)

【写真説明】慰霊の言葉を述べる広中会長(手前)を撮影する2世部会の村上さん


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