「平和の祈りを一緒にささげてきた皆さんに感謝します」―。歌手南こうせつさんの平和祈念コンサートが７日、広島市中区の世界平和記念聖堂で開かれ、１０年目でフィナーレを迎えた。南さんは心のこもった歌声を約５００人に届けた。

　「南こうせつｉｎ世界平和記念聖堂」は、復興を象徴する同聖堂の維持費を寄付するため２０００年にスタート。１０年間続ける予定で、１年も欠かさず通い続けた。

　ろうそくがともる堂内で「神田川」「妹」などの代表曲をしみじみと歌った南さん。曲の合間に「平和は、思うだけで大きな力になる」と呼び掛け、感極まってステージを下り、観客とともに歌う場面もあった。

　南さんは、先立つピースコンサートを１９８６年から１０年間続け、寄付金で広島原爆養護ホーム「倉掛のぞみ園」（安佐北区）の建設を支えた。同園へは来年以降も訪問を続ける予定。

　今後について「違うかたちでまた皆さんにお会いできるように頑張りたい」とファンの歓声に力強くこたえた。（上杉智己）