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核軍縮の国際潮流意識 平和市長会議行動計画 '09/8/9

 ▽NGOとも連携強める

 長崎市での平和市長会議総会は8日、「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の推進を柱とする行動計画を早々と決めた。本格討議入り初日の合意は、2020年までの核兵器廃絶が「世界の多数派の意見」であり、廃絶に前向きな国際潮流を逃したくないとの参加都市の共通認識が根底にある。

 行動計画は、各種の国際会議などに議定書への賛同を広げ、国際的な非政府組織(NGO)との連携強化も明確に打ち出した。

 当面、来年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議での議定書採択が目標。同時に、10〜20年を「国際軍縮の10年」として各種の取り組みを継続するなど、「再検討会議の後」も強く意識している。

 参加都市は行動計画を全会一致の拍手で採択した。ただ、米大統領の名前を冠した「オバマジョリティー・キャンペーン」をめぐり加盟都市の多様性を反映する意見もあった。

 フランスのシャワジー・ル・ルワ市のジャン・ジョエル・レマルシャン副市長(62)は「都市のオピニオンリーダーは住民。米大統領ではない」とくぎを刺した。スペイン・グラノラ市のジョセフ・マヨラル市長(54)は「南米や欧州では米国の政治を快く思わない人もいる」と話していた。

 この日は、4年後の次回総会までを任期とする副会長都市も決めた。核兵器を保有する米国、ロシア、フランス、英国を含む15都市だ。全米市長会議のトーマス・コクラン事務局長(67)は「インドやパキスタンも加えてはどうか。保有国の政府に足元から廃絶を呼び掛ける意識は大切だ」と提案した。

 各都市から地元での取り組みの報告もあり、副会長都市の田上富久長崎市長は「輪を広げようする参加都市の強い意志を感じた」と話していた。(金崎由美、東海右佐衛門直柄)

【写真説明】核兵器廃絶への行動計画を決めた平和市長会議総会


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