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核兵器の廃絶へ「世論高めよう」 広島平和都市法60年で講演 '09/8/10

 核兵器廃絶のために市民が果たす役割を考える講演会が9日、広島市中区の市立中央図書館であった。広島市立大広島平和研究所の浅井基文所長は「核兵器は人類と共存できないとの認識が世界で共有されるよう、世論を高めないといけない」と呼び掛けた。

 広島平和記念都市建設法の施行60周年を記念し、同図書館が主催した。冒頭、長崎への原爆投下による犠牲を悼み、参加者約70人が黙とうした。

 浅井氏は、「核兵器のない世界」を提唱するオバマ米大統領が「核兵器が存在する限り、強力な抑止力を維持する」とも述べた点に着目。「米国が率先しないと、核兵器廃絶の世界的な流れは出てこない。原爆投下は人類史的な過ちだと、米国に認めさせる必要がある」と訴えた。

 核持ち込みに関する日米両政府の密約問題では「なぜ今、暴露されたのか。北朝鮮の核の脅威があり、いざというときには非核三原則が邪魔だという理屈だ」との見方を示した。(村田拓也)


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