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首相「8・6」出席へ 被爆者との対話は言及せず '07/7/10

 安倍晋三首相(自民党総裁)は九日、八月六日に広島市中区の平和記念公園である原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)と、同九日の長崎市の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に出席する意向を示した。中国新聞など報道各社のインタビューに自民党本部で応じて表明した。

 米国の原爆投下をめぐる久間章生前防衛相などの発言を受けた政府の核廃絶に対する姿勢や、自民党が参院選の公約に掲げる原爆症認定基準の見直しを見据えた被爆者支援策の充実について、被爆者と直接意見交換する考えがあるか、との質問に対しては、安倍首相は答えなかった。

 広島の式典への首相出席は一九九四年の村山富市元首相以来、昨年の小泉純一郎前首相まで十三年間続いており、安倍氏が首相に就任してからは初めての出席となる。

 小泉前首相は六年連続で式典に出席しながら、「被爆者代表から要望を聞く会」は就任した二〇〇一年を除いて欠席しており、被爆者などから不満の声が上がっていた。

 安倍首相は核廃絶を「究極の目標」とした上で、「今は核の拡散が懸念されており、まずは拡散をストップする。それとともに核保有国が核軍縮に向け、いわば歯車を回していくように日本はリーダーシップを発揮し、発信力も高めていかなければならない」と述べた。(山中和久)


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