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ビキニ被曝のメッセージ集出版 第五福竜丸の大石さん '07/7/11

 一九五四年の米国のビキニ水爆実験で被曝(ひばく)したマグロ漁船第五福竜丸の元乗組員、大石又七さん(73)=東京都大田区=が、若い世代へのメッセージをまとめた「これだけは伝えておきたい ビキニ事件の表と裏」を出版した。

 被曝の後障害や周囲の無理解に苦しみ、口を閉ざしてきた乗組員仲間の実情や、日米関係などの半世紀余りを見つめ直し、核被害への想像力を欠いた世界に警鐘を鳴らす内容。四六判、百六十八ページで、かもがわ出版(京都市)が刊行した。千五百七十五円。

 大石さんはクリーニング店を経営する傍ら、都立第五福竜丸展示館(東京都江東区)などで証言活動を続けている。近年の閣僚の核に関する肯定的な発言や憲法改正の動きと絡め、「平和憲法を持つ国が日に日に危険な国に変わりつつある。核の恐ろしさが忘れ去られつつある今、若い人に読んでもらい、核兵器や戦争のない世界にしたい」と話している。(森田裕美)

【写真説明】大石さんが出版した「これだけは伝えておきたい ビキニ事件の表と裏」


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