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原爆の日に登校・学習3けたに 広島市内の小中校 風化防止へ増加 '07/7/31

 広島市立小、中学校204校のうち、今年の原爆の日(8月6日)を登校日とし平和学習に取り組む学校は、昨年より75校も増え、170校になることが、市教委の調べで分かった。原爆被害についてよく知らない子どもが増えている現状に市教委が危機感を強め、各校に働き掛けた。

 登校するのは小学校126校、中学校44校。大半は原爆投下時刻の午前8時15分に黙とうし、地域の被爆者から体験談を聞いたり、原爆映画を観賞したりする。市の平和記念式典に出向いたり、被爆ピアノの演奏会を開いたりする学校もあるという。登校日としない残り34校も、別の日に平和集会を開くなどの取り組みをする。

 市教委は2000年、小中学生を対象に原爆や平和についての意識調査を実施した。広島に原爆が投下された年月日と時刻を知っていたのは小学生の35%、中学生の63%にとどまった。

 こうした状況を受け市教委が昨年、各校へ平和学習の充実を要請した。昨年は原爆の日が日曜日で登校日としにくかったことも、今年の急増の要因の一つとみられる。

 市教委は「8月6日は広島全体が平和への祈りに満ち、より効果的な学習につながる」と意義を強調。「記憶の風化が懸念される中、子どもたちへの継承活動に力を入れていきたい」としている。(田中美千子)


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