中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索
反核や憲法議論 平和祈念館で米学生と市民 '07/8/5

 原爆の日を前に広島市内では四日、平和を考える集いや催しが各地で開かれた。若者たちは戦争の愚かさについて語り合ったり、被爆者の声に耳を傾けたりしながら、戦争のない時代を誓い合った。

 平和活動に取り組む米国の学生四人を交えた意見交換会が、広島市中区の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館であった。市民団体のワールドフレンドシップセンター(西区)の呼び掛けで、市民約五十人が参加して核廃絶や憲法九条などをテーマに議論を重ねた。

 母国の中米エルサルバドルから難民としてカナダに渡り、今はインディアナ州の大学院で学ぶロナルド・グラナドスさん(48)は内戦の体験を踏まえ、「ヒロシマで起きた悲劇は繰り返してはならない。原爆や戦争の恐ろしさを全世界が理解すべきだ」と訴えた。

 十三歳まで札幌市で過ごし、バージニア州の大学で平和学を専攻するエミ・オダさん(21)は、昨年、イスラエルとパレスチナでホームステイし、紛争に間近に触れた体験を報告。「争いはコミュニケーション不足から始まる。日本が憲法九条をもっとPRすることで世界の紛争が少なくなるのでは」と指摘した。

 参加した広島大三年の矢野成美さん(20)は「同世代の若者が活発に平和活動に臨む姿を知り、広島にいる自分にも何かできることがあるように思えた」と感銘を受けていた。(標葉知美)

【写真説明】平和についての意見交換をする米国人学生と参加者たち(撮影・浜岡学)


MenuTopBackNextLast