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「非核三原則は不動」首相が参列 '07/8/7

 安倍晋三首相は六日、広島市中区の平和記念公園であった平和記念式典に参列後、「非核三原則の堅持は政府、国として不動の方針だ。国連を通して核廃絶に向けたリーダーシップを執り、確実、現実的な核軍縮へ一歩でも前進するよう、日本の役割を果たしていきたい」と強調した。式典会場で記者団に答えた。

 原爆症認定をめぐる集団訴訟で国の認定基準を否定する判決が続いている問題について、厚生労働省などに「専門家のもとに見直しの検討を行うよう指示した」と認定基準見直しに向け、検討を進める意向を重ねて表明した。

 先月三十日に国が敗訴した熊本地裁判決の対応は「法的な見地から関係省庁で検討している」と控訴を否定しない一方、「裁判とは別に、原爆の被害に苦しんでこられた方々に対して何ができるか考え、医療、保健、福祉の総合的な支援策を充実させていかなければならない」と述べた。

 安倍首相は六日夜、帰京後の官邸で記者団に対し、原爆症の認定基準見直しに向けた検討を指示する決断に至った理由について「長い年月が経過し、さまざまな判決が出た。その中で残念ながら実務的に物事が前進しないという状況を考慮して判断した」と述べた。(山中和久)

【写真説明】原爆慰霊碑に献花する安倍首相。後ろは河野洋平衆院議長


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