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文集で同級生しのぶ 県立広島第一高女の追悼式 '07/8/7

 中区小町で県立広島第一高女(現皆実高)の原爆犠牲者追悼式があり、当時一年生だった卒業生たちが、建物疎開作業中に被爆死した同級生二百二十三人をしのぶ追悼集を遺族らに配った。

 式は母校の跡地の「追憶之碑」前で営まれ、二年がかりで追悼集を完成させた代表の宍戸和子さん(75)が「生き残ったうしろめたい気持ちが整理できたような気がする。ほっとしている」と語りかけた。千部作り、この日は約百部を贈った。

 亡くなった姉を悼む手記を寄せた宮本素子さん(60)=廿日市市=は「思い出を追悼記という形で残すことができ感謝でいっぱい」と喜んでいた。

 ◆広島赤十字・原爆病院慰霊式(中区千田町)

 約百人が参加、全員で黙とうをささげた。看護学校生だった井口トシエさん(80)は病院で被爆。窓ガラスが顔や腕に刺さるけがをしながら救護にあたった。「朝が来るたび死者が増えた。担架で遺体を運んでは病院の玄関前で火葬した。忘れられない光景」と目を閉じた。

 ◆広島郵便局原爆殉職者合同慰霊祭(南区比治山町)

 当時の郵便局員や遺族ら約二百五十人が多聞院に集い、慰霊碑に名を刻む二百八十八人の冥福を祈った。旧広島郵便局(現中区大手町)に出勤した姉が行方不明となったままの主婦大畠静江さん(75)=安佐南区=は「早よう行かんにゃいけんと言って家を出ていった。姉の後ろ姿が忘れられない」と涙をぬぐった。

【写真説明】涙を流しながら、遺族に完成したばかりの追悼集を手渡す宍戸さん(左)


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