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歌碑の原本となった墨書戻る 市女同窓生に初披露 '07/8/7

 広島市立第一高等女学校(市女、現舟入高)の慰霊式典が平和記念公園南の同校慰霊碑前であり、碑に刻まれた短歌の原本となった墨書が初めて同窓生らに披露された。建立から五十九年、卒業生や舟入高生ら五百人が参列した。

 「友垣にまもられながらやすらかにねむれみたまよこのくさ山に」。市女は建物疎開作業をしていた六百七十六人の生徒が被爆死。一九四八年の碑建立に当たって、当時校長だった宮川造六さん(故人)が、縦七十センチ、横九十センチの和紙にしたためた。

 その後、墨書は一年生だった四女を亡くした大藤正吉さん(同)に贈られた。遺品さえ見つからず嘆く大藤さんに宮川さんは「せめてもの慰めに」と申し出た。大藤さんの死後は家族が保管。このほど三男の妻絢子さん(74)=西区=が「ほかの犠牲者の供養に」と同窓会に寄贈した。(馬上稔子)


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