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サダコ鶴、米へはばたく 9・11追悼施設に寄贈 '07/8/7

 被爆から十年後に白血病のため、十二歳で亡くなった佐々木禎子さんが病床で作った折り鶴が九月、米中枢同時テロで崩壊したニューヨークの世界貿易センター跡の犠牲者追悼施設に贈られることになった。追悼行事に招かれた禎子さんの兄雅弘さん(66)=福岡県那珂川町=が持参し、「平和のシンボル」に込めた願いを世界に伝える。

 ニューヨークの日本協会の招きで訪米する雅弘さんが、自宅に残していた折り鶴のうち、一つを寄贈することを決めた。雅弘さんは「禎子の未来を奪った暴力の愚かさをグラウンド・ゼロを訪れる人の胸に刻みたい」と期待を込める。

 折り鶴の寄贈式は九月十二日に追悼施設「トリビュート・ビジターセンター」で行われ、テロで犠牲になった日本人遺族も出席するという。

 禎子さんが病気の回復を願って折った折り鶴は千羽を超える。父繁夫さん=二〇〇三年に八十七歳で死去=や禎子さんの友人により、百数十羽が原爆資料館(広島市中区)に寄贈されている。(石川昌義)


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