平和アニメ「つるにのって」のＤＶＤが制作、発売された。フランス平和自治体協会顧問の美帆シボさん（５７）＝静岡県出身＝が、原爆のため十二歳で亡くなった佐々木禎子さんの物語を基に原案をつくり、市民募金などで一九九三年に完成したビデオはこれまで六十五カ国以上で上映されてきた。パソコンでも再生できるＤＶＤ化で、より多くの人に見てもらう。

　ＤＶＤは日本語、英語、フランス語で収録され、聴覚障害者に配慮した日本語字幕もある。舞台は現代で、小学六年生の女の子が平和記念公園を訪れた際に少女サダコと出会い、不思議な冒険が始まるという内容だ。

　「原爆は破壊力が強調されがちだけれど、体に傷を負わなくても放射線によって命を失った人たちがいたという事実を救いのあるストーリーで伝えたかった」。六日の平和記念式典参列などのために帰国したシボさんは説明する。

　携帯に便利なＤＶＤ化は長年の懸案だった。シボさんは「より広い世界で若い人たちに見てもらいたい」と話している。二十七分間。四千二百円。虫プロダクションＴｅｌ０３（３９９０）４１５３。（吉原圭介）

【写真説明】ＤＶＤになった「つるにのって」を手に、思いを語る美帆シボさん