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被爆証言集、5集で幕 ヒロシマ青空の会、有志の活動限界に '08/8/5

 市民グループ・ヒロシマ青空の会(谷川陽子代表)が、聞き書きによる被爆証言集「遺言『ノー・モア・ヒロシマ』」の第五集を刊行した。小人数のボランティアで続ける体制に限界があり、今号で終刊。ホームページ(HP)では今後も集めた証言を公開する。

 青空の会は広島市南区の宇品公民館が拠点。ボランティア六人が被爆者から数時間にわたって話を聞き、テープ起こしや編集も自前で続けてきた。二〇〇四年の第一集から今年の第五集まで、十九人の証言を収録。千部ずつ印刷して大半を図書館などに寄贈し、HPで証言全文と、個人を除く配布先を公開してきた。

 終刊について谷川さんは「小人数のボランティアで続けるには実際は大変な作業。家庭の事情もありますし…」と振り返りながらも「『今語っておかなければ』という被爆者の気持ちは年々強く感じた」と言う。第五集を贈った長崎県内の図書館から全巻そろえたいという要望が届くなど反響は今もある。

 第五集は爆心から二キロの東千田町で被爆した林昭雄さん(当時、修道中実務科生=十七歳)の証言「原爆が奪った姉と弟」など四編を収録。残部はわずかだが、希望者には郵送料着払いで送る。谷川さんTel082(254)0452(ファクス兼用)、電子メールhiroshimaaozra@infoseek.jp(佐田尾信作)

【写真説明】証言集「遺言『ノー・モア・ヒロシマ』」の5巻と既刊号


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