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対応の遅さ反省 7年ぶり首相、「聞く会」出席 '08/8/7

 「被爆者代表から要望を聞く会」が六日、福田康夫首相、舛添要一厚生労働相らが出席して広島市中区のホテルで開かれた。首相の出席は、二〇〇一年の小泉純一郎首相(当時)以来、七年ぶり。七団体の代表が、原爆症認定集団訴訟の早期解決や認定基準の再見直しなどを求めた。

 広島県被団協の金子一士理事長は「非人道的な兵器で傷つき、苦しみ続けている被爆者に訴訟を続けさせないで」と求め、もう一つの県被団協の坪井直理事長も「我々には余命がない」と、全面解決に向けた首相の政治決断を迫った。四月に運用を開始した現在の認定基準の改定を求める声も相次いだ。

 時折メモを取りながら耳を傾けた福田首相は「対応の遅さは責められなければならない。今のままでいいとは思っていない」と従来の被爆者行政に反省は示しつつも、「厚労省で具体的なことを考えていきたい」と述べるにとどめた。

 舛添厚労相は「一人でも多くの被爆者を救うため全力を挙げている。認定基準の改定は手段であって目的ではない」と説明。海外被爆者の渡日治療への新たな支援策や、放射線影響研究所(南区)による被爆二世の健康影響調査の充実を検討していることを明らかにした。(門脇正樹)


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