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舞台から祈る平和 東広島で歌や演劇、客席も合唱 '08/8/8

 東広島市で6日夜から7日にかけ、音楽や演劇で平和を祈る2つのイベントがあった。出演した小学生や地域住民らは、原爆投下から63年の「8・6」に思いをはせた。

 六日夜、志和町の西志和小体育館。「ピースベルフェスティバル―平和だからこそ、こんなにも楽しい」と題したイベントは、児童や町内外の音楽団体などが踊りや太鼓など十三演目を披露した。

 会場が一つになったのは、沖縄県出身のシンガー・ソングライター、ユキヒロさんの登場。昨年から西志和小と交流し、今回のイベントも住民と一緒に企画した。約四百人の来場者と一緒に「HEIWAの鐘」を合唱。六年の久保咲奈さん(11)は「広島や沖縄の被害を考え、戦争は二度としてはいけないと思った」と話した。

 来場者は約二千七百羽の折り鶴を作り、ユキヒロさんらが七日、平和記念公園(広島市中区)の「原爆の子の像」にささげた。

 西条町郷曽の郷田小では七日、児童や保護者でつくる「いもこじ劇団」が平和劇「郷田の八月六日」を演じた。

 賀茂高等女学校(現賀茂高)の生徒たちが広島市内で被爆者救護に当たった実話に基づくストーリー。患者が亡くなって絶望する女学生の姿に、会場ではすすり泣きが聞こえた。

 「自分なら耐えきれなかったと思う」と、郷田小六年の武田華穂さん(11)。六年の杉立真太郎君(11)も「舞台の人と一緒に『戦争は嫌だ』と心の中で叫んだ」と話した。最後は舞台と客席が一緒に、平和の歌を合唱した。(治徳貴子、小山顕)

【写真説明】音楽を通じて平和を呼び掛けた志和町のフェスティバル


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