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さをり織り平和を紡ぐ 愛好家、8・6から催し '07/7/5

 ▽市民参加で「織り鶴」も

 平和への願いを手織りの布で表現するイベント「SAORI Peace Weave 2007」が八月六日から、広島市中区で開かれる。中四国地方の「さをり織り」指導者らでつくる実行委員会(西山堅太郎委員長)が初めて企画した。作品の展示やシンポジウム、市民参加の「織り鶴」づくりなどで、平和の尊さを訴える。

 「さをり織り」は、綿、絹、ウールなど好みの素材を使い、自由な織り方で自己表現の楽しさを味わう手織り。愛好者は全国に約五万人とされ、海外約四十カ国でも親しまれているという。

 平和記念式典がある六日は、原爆ドーム周辺で参加者がダイインを実施する。七日から十二日までは、原爆をテーマに国内外の愛好者が織った作品約四百枚を県立美術館に展示。飾り付けは六日のダイインのポーズを参考に、西区在住の芸術家ムラカミ・マサヒロさんが担当する。

 展示初日の七日には同美術館講堂で、平和を考えるシンポジウムやファッションショーも開く。会場には十二日まで手織り機二台を設置し、来場者に思い思いに布を織ってもらう。その布で「織り鶴」を製作し、原爆の子の像に供える予定だ。

 昨年十月の北朝鮮核実験などをきっかけに、県内の愛好者らが中四国の仲間に呼び掛けて実行委を結成した。実行委員の高田武子さん(65)=福山市沼隈町=は「さをりは個性を大事にする手織り。戦争が起きれば個人は軽んじられ、社会的に弱い人は一層苦しめられる。そうならないよう、静かに平和を訴えたい」と意気込んでいる。(藤村潤平)

【写真説明】「さをり織り」愛好家が開く平和イベントの概要を説明する高田さん<中>(県庁)


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