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被爆クスノキ回復 広島国道事務所が調査 12本剪定が効果 '07/7/11

 爆心地から約二・一キロ離れた、広島市中区白島北町の祇園新道わきにある被爆クスノキ十二本の樹勢が順調に回復していることが十日、国土交通省広島国道事務所の健全度調査で分かった。枯死が心配されていたが、昨年実施した剪(せん)定(てい)などが功を奏した。

 日本樹木医会の樹木医堀口力さん(62)と溝口幸平太さん(70)が、葉の色や大きさを一年ぶりにチェック。十二本のうち、五段階評価で最上位の「良」が三本、「やや不良」が九本だった。昨年七月の調査では「著しく悪い」が二本、「不良」が四本、「やや不良」が六本だった。状況の改善に「強い生命力の証し。今後何百年も生き続けてほしい」と話していた。

 被爆クスノキは衰弱が指摘されていたため、同事務所などが昨年から樹勢回復に乗りだしていた。肥料を与えたり、剪定した切り口に細菌などの感染を防ぐ薬剤を塗ったりするなど保護に努めた。(中川雅晴)

【写真説明】回復した被爆クスノキを見上げる樹木医の堀口さん


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