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「被爆死の友あの朝が別れに」 第一県女卒業生が初の追悼集 '07/7/12

 県立広島第一高等女学校(現皆実高)の卒業生でつくる有朋会四十五期追悼の会(宍戸和子代表、五十人)が、建物疎開作業中に原爆の犠牲となった同級生二百二十三人をしのぶ初めての追悼集『原爆八月六日 平和の祈り あの時の県女を語ろう』を作った。同級生や遺族四十六人が思いを寄せた。

 当時、一年生三百人のうち二百二十三人は、現在の広島市中区土橋町付近で被爆。爆心地から約八百メートルの近さで、全員が犠牲となった。同級生からは、「あの日の朝、駅で別れたのが最後の会話になるとは思わなかった」と記すなど、八月六日を振り返った手記や友人への思いをつづった文章が多く寄せられた。亡くした娘への思いを生前に残した母親の文章を寄せた遺族もいた。

 当日、作業から外れていた宍戸代表(75)は「まだ元気なうちに、みんなの思いを形に残さないといけない」と約二年前から準備を進めてきた。「生き残った人は、後ろめたい気持ちをかなぐり捨てて書き上げた。いい供養になれば」

 B5判、百七十ページ。千部作製した。非売品で、「次の世代に当時の悲惨さを知ってほしい」と県内の小中高校などに配る。(貞末恭之)

【写真説明】同級生への思いをつづった追悼集を手にする宍戸さん


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