鋭い社会批評で人気の精神科医師、香山リカさん（４７）の講演会「だれもが心豊かに暮らすために―精神科医が憲法を考える」が十五日、広島市中区の原爆資料館東館であった。

　護憲派団体「九条の会・医療者の会」の呼び掛け人でもある香山さんは「憲法を改正すれば今の政治家には戦争を止める力はない」と改憲に反対する理由を説明。「精神科医から見て、日本社会の心は病んでいる」「病んでいるときに下す決断は、大抵が間違っている」とした。

　世論調査で改憲賛成の理由として「時代にそぐわないから」と回答する人が多いことには「非常に感覚的に物事を判断する国民が増えている」と分析。「護憲派は『憲法の素晴らしさを地道に広めよう』と主張するが、それでは間に合わない。現代人にあったインパクトのある運動も必要」と問題提起した。

　県保険医協会（長谷憲理事長）などが主催。市民約百五十人が集まった。（西村文）