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河岸で野外上映 「夕凪の街」刻む 広島・基町 '07/7/17

 原爆をテーマに広島市西区出身の漫画家こうの史代さんが描いたコミックを映画化した「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」の野外上映会が十六日夜、ロケ地になった中区基町の本川東岸であった。市民団体のポップラ・ペアレンツ・クラブ(PPC)が、広島県内で二十一日始まる先行上映を前に開いた。

 原爆投下から十三年後と現代に生きる女性二人を主人公に、家族愛や被爆者の苦悩などを描く内容。昨年八月、原爆被災者の生活の場にもなった本川東岸や、平和記念公園などで撮影された。

 上映会では、河岸に縦六メートル、横八メートルのスクリーンを設置。開始の午後八時には雨も上がり、約三百人が宵闇の包む中で鑑賞した。佐々部清監督も駆け付け、「広島の宝のような作品。心に刻んでほしい」と語り掛けた。

 一月から準備をしてきたPPCの隆杉純子代表は「ロケ地の河岸にたたずみながら作品にこもる平和の願いを感じてもらえたと思う」と話していた。(林淳一郎)

【写真説明】ロケ地の本川東岸で上映された「夕凪の街 桜の国」を鑑賞する人たち=広島市中区(撮影・坂田一浩)


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