広島市は二十三日、平和記念公園（中区）で八月六日に営む原爆死没者慰霊式・平和祈念式（平和記念式典）の概要を発表した。核兵器保有国など百四十一カ国の政府首脳らに参列を要請した結果、これまでに四十二カ国が出席の意向を寄せている。昨年実績の三十五カ国を上回り、過去最多となりそう。

　核兵器保有国の参列はロシアだけで、在日大使館の一等書記官が出席する。北朝鮮からは回答がない。

　就任後初の「８・６」となる安倍晋三首相も参列の意向。国連からはセルジオ・ケロス・ドアルテ軍縮室上級代表が出席し、潘基文（バンキムン）事務総長のメッセージを代読する。

　式典は午前八時から四十五分間。原爆慰霊碑に原爆死没者名簿が納められ、原爆投下時刻の八時十五分、遺族代表の会社員黒田由希子さん（３２）＝東区＝と、こども代表の天満小六年惣田亮介君（１２）＝西区＝が「平和の鐘」をつく。秋葉忠利市長は平和宣言。さらに、五日市観音西小六年森展哉君（１２）＝佐伯区＝と東浄小六年山崎菜緒さん（１２）＝東区＝が「平和への誓い」を読み上げる。

　市役所で記者会見があり、森君は「外国では今も戦争が続いている。一日も早く世界が平和になるよう祈りながら読み上げたい」と抱負を語った。

　また市は今回初めて、原爆資料館本館下の式典本部横に「折り鶴コーナー」を設置。会場を訪れる外国人たちに、市内の高校生ボランティアが鶴の折り方を教える。（森田裕美）

【写真説明】左から「平和の鐘」をつく黒田さん、惣田君、「平和への誓い」を読み上げる森君、山崎さん