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被爆の体験記1万1257件公開 26日から追悼祈念館 '07/7/25

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は二十六日から、国が収集した被爆体験記一万千二百五十七件を新たに館内で公開する。

 厚生労働省が二〇〇五年の原子爆弾被爆者実態調査に合わせて全国で集めた体験記のうち、本人の承諾を得た分を公開する。大半は手書きで、炎の中で家族や友人を助けられずに逃げた経験や被爆後の病気の悩み、平和を祈る気持ちなどをつづっている。筆者の希望により文中の名前などが消されている場合もある。

 データベース化が完了し正式に公開できるまでに五年程度かかるため、五十四冊のファイルにとじ、閲覧室で読むことができるようにした。中川雅裕副館長は「被爆者が高齢化する中、一つ一つがとても貴重な体験。しっかり後世に伝えたい」と話している。

 うち長崎での被爆者が書いた約四千五百九十件の体験記については、長崎市にある追悼祈念館でも閲覧できる。

 一九九五年の厚労省調査でも全国の被爆体験が集められ、すでに広島の追悼祈念館は八万千二百十三件をデータベース化。閲覧室のコンピューターで検索して読むことができる。(森田裕美)

【写真説明】26日から公開される体験記


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