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世界の被爆アオギリ二世追跡 広島の活動家ら紀行集発刊 '07/7/24

 広島で被爆したアオギリの種や苗を広める活動をしている市民たちが、世界各地で平和の象徴として根付いているアオギリ二世を追いかけ、紀行集にまとめる活動に取り組んでいる。第一集のイタリア編が三十日に発刊される。

 被爆アオギリは惨状から復興した象徴として、市や市民グループが各地に種や苗を贈り、国内外の千カ所以上で二世が芽吹いているとされる。しかし、正確な本数や生育情報は把握できていないため、実態調査や保護活動の一環として紀行集の発刊を思いたった。

 第一集は「アオギリ紀行 イタリアの地で根をはる被爆アオギリ二世」のタイトルでA5判、七十六ページ。被爆者沼田鈴子さん(83)が一九九五年、イタリアで被爆体験とアオギリについて語ったのを契機に、現地で広がる平和交流の歩みを紹介している。千五百部を発行した。

 編集委員長の山田忠文さん(65)は「被爆地からまいた種が海外でどんな根を張っているか、外から見たヒロシマの心を市民にも知ってほしい」と話している。

 関係者らは、被爆アオギリ二世の情報を収集し発信する窓口「アオギリ広島事務所」を中区内に設け、アジア編の制作も検討している。第一集は六百円(送料別)。同事務所Tel082(299)5182。(森田裕美)

【写真説明】イタリアに根付いたアオギリ二世や現地の平和交流をまとめた紀行集


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