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被爆の実態世界に発信 原医研元所長、「広島のおばあちゃん」英訳出版 '07/7/25

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)の元所長、鎌田七男さん(70)=広島市西区=が、原爆の人体影響を解説するため二〇〇五年に出版した入門書「広島のおばあちゃん」を英訳版にした。被爆の実態を世界に広く伝えようと、二千部を自費出版した。

 「ONE DAY IN HIROSHIMA(あの日、広島で)」のタイトル。原爆の爆風、熱線、放射線の威力や現在も続く後障害、被爆者援護の現状などのテーマを、被爆者の「おばあちゃん」が語り掛ける。広島で平和活動に取り組む翻訳グループが英訳を引き受け、A6判、百十九ページにまとめた。

 鎌田さんは六月にモンゴルであった核戦争防止国際医師会議(IPPNW)北アジア地域会議に参加し、会場でも配布した。「海外では意外に、被爆による具体的な被害は知られていない。被爆地を訪れる外国人に読んでほしい」と期待している。

 希望者には千五百円(税別)で販売する。申し込みは広島県医師会のファクス082(293)3365。(石川昌義)

【写真説明】鎌田さんが出版した英訳本


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