中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索
西東京から広島へ自転車で目指す 復刊した被爆医師の体験記PR '07/7/27

 旧田無(現西東京)市長を務め、軍医として広島で被爆した故指田(さしだ)吾一さん(一九六九年に五十九歳で死去)の手記「原爆の記」を、地元の市民が三十八年ぶりに復刊した。この本をPRしようと、復刊に携わった袖吉(そでよし)重雄さん(75)=西東京市=が「原爆の日」までの広島入りを目指し、二十六日朝、約八百キロの自転車旅行に出発した。

 五十歳代から趣味で自転車に乗ってきた袖吉さんだが、今回は、地形が険しい区間はバスも使う。名古屋、大阪などに立ち寄り、図書館での蔵書を依頼したり、沿道で本を売ったりする。広島には八月五日に到着し、六日まで滞在する。

 「原爆の記」は、陸軍医だった指田さんが、やけどを負いながら、被爆直後の患者治療に尽力した記録。袖吉さんの友人の藤川利子さん(69)が提案し、三千冊の印刷にこぎ着けた。

 袖吉さんは「原爆の恐ろしさに衝撃を受けた。本を広めるため、できることで行動したい」と話す。A5判、百七十一ページ、五百円。包装・郵送料二百円。藤川さんTel042(461)0188。(金崎由美)

【写真説明】地元の神社で無事を祈願し、藤川さん(左から3人目)らの見送りを受ける袖吉さん(右端)


MenuTopBackNextLast