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原爆ドームを「広島が誇る世界遺産」と紹介 広電、「表現不適切」と広告撤去 '07/7/28

 広島電鉄(広島市中区)が路面電車の車内広告で、原爆ドーム(同)を「広島が誇る世界遺産」と紹介するポスターを掲示したところ、被爆者や市民から疑問の声が寄せられ撤去したことが二十七日、分かった。広電は「不適切な表現だった」と陳謝している。

 ポスターは自社広告で、世界遺産の原爆ドームと厳島神社がある宮島(廿日市市)を紹介し、路面電車の利用をPRしている。右に宮島、左に原爆ドームの写真や説明を配し、中央に大きく「広島が誇る2つの世界遺産」と記した。

 大きさは縦二十四センチ、横一メートルと縦十八センチ、横七十センチの二種類で、四月から宮島線車両のドア近くの内壁に計七十枚を掲示していた。市内の広告会社に発注し、約三十万円で製作した。

 ところが、七月に入って市民から電話などで、原爆ドームに対する「誇る」という表現には疑問が寄せられた。社内で検討し二十六日、全車両から撤去した。文言を修正した新たな広告を掲示する予定だ。疑問を伝えた被爆者の男性(72)は「広島の復興をともに歩んできた広電だけに残念だ」と話す。広電は「広島のシンボルとして紹介したが、配慮が足りなかった」としている。(滝川裕樹)

【写真説明】原爆ドームへの表現が不適切との指摘を受け、広電が撤去したポスター


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