原爆投下直後、炎に追われた被爆者が逃げ込んだ縮景園(広島市中区)で一日、慰霊供養式があり、地域住民でつくる供養会(上田宗冏会長)や小中学生たち約二百人が出席した。
平和記念公園(中区)の「平和の灯(ともしび)」から運んだ火を六十四本のろうそくにともして祭壇に並べた後、全員で黙とう。「千の風になって」を合唱し、花や折り鶴も手向けた。上田会長は「苦しみながら息を引き取っていった多くの方々を供養し続けたい」と話していた。
縮景園は爆心地から約一・三キロ。敷地内に池があり、水を求めて多くの人が逃げ込んだ。一九八七年八月一日、原爆犠牲者とみられる六十四人分の遺骨が見つかったのを機に、住民たちが毎年この日に供養式を営んでいる。
【写真説明】ろうそくが並ぶ祭壇に折り鶴を手向ける子どもたち
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