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「在外被爆者の渡航困難」 米在住の陣医師、支援訴え '07/8/3

 在外被爆者支援を考える集いが二日、広島市中区の原爆資料館東館であった。米国ロサンゼルスで現地被爆者の医療相談などに尽力している被爆医師陣啓三さん(77)が現地の実情を語り、支援を求めた。

 参加者約三十人を前に、陣さんは爆心地から一・七キロで被爆後、医師を志して進学のため渡米した半生を証言。

 被爆者援護法に基づく健康管理手当などは米国内で申請・受給が可能になったものの、被爆者健康手帳を取得するために来日しなくてはならないなど問題点を指摘した。

 陣さんは「高齢で病気の被爆者に渡航は無理。心を込めて実情を伝えれば、いつか日本政府に理解してもらえると信じている」などと語った。

 集いを主催した「在ブラジル・在アメリカ被爆者裁判を支援する会」代表世話人の田村和之龍谷大法科大学院教授は「国は裁判で負けるたび、小手先の援護で補完してきた。そのため医療面の援護が行き届いてないのが残された課題だ」と訴えた。(森田裕美)

【写真説明】米国の被爆者の実情を訴える陣さん


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