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広島発「ねがい」、千の歌になって 29ヵ国から詞 '07/8/4

 広島市の教師の呼びかけで2002年に完成した平和の歌「ねがい」に1000番目の歌詞ができた。もともと4番までだったが、教育関係者でつくる特定非営利活動法人(NPO法人)が平和への願いに賛同して5番以降を加えるキャンペーンを展開。国内外から次々と歌詞が届いた。

 「もしもこの空で光ったものが 放射線ではなくキレイな星であったなら 毎日苦しい生活を送らないで この世界を自由に走れただろう」。千番目は長野県の中学三年清水香澄さんがインターネットで寄せた。

 歌の発案者は宇品中(南区)の横山基晴教諭(48)。前任校の大州中(南区)にいた〇一年、交流のあった広島合唱団に作詞、作曲を依頼。歌詞は生徒が平和学習のまとめで書いた複数の「平和宣言」や感想文から心に残るフレーズを抜粋し編んだ。

 横山教諭は〇三年、教育関係者の会議で歌を披露。感銘したNPO法人メンバーが新たな詞を募り、インターネットや教育者の集まりで呼び掛けた。一人で複数を寄せる人も多く、海外二十九カ国からも届いた。横山教諭は「一つの区切り。みんなで思いを発信することが平和への取り組みでもある」と感激する。

 六日に中区の原爆ドーム前である市のコンサートで、宇品中生約三十人が合唱する。歌うのは四番までだが、千番ができたことを報告する。二年生の笠間陽子さん(13)は「聞く人の心に平和への思いが届きそうな歌。たくさんの人に思いを広げたい」と意気込んでいる。(馬上稔子)

【写真説明】コンサートに向けて「ねがい」を練習する横山教諭(左端)と宇品中生たち


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