広島、長崎両市への原爆投下の違法性を模擬裁判で裁いた国際民衆法廷実行委は、米国の原爆開発や投下にかかわった大統領ら十五人を「有罪」とした判決文の日本語と英語版を収めた冊子を発行した。

　Ａ４判、四十二ページに判決文のほか、民衆法廷の経緯や実行委のアピール文などを収録した。先月の判決公判後、被爆者や法律家から有効活用を求める意見が相次ぎ、英文の判決文はすでに米政府やほかの核保有国などに送付した。より多くの人に原爆投下の非人道性を知ってもらうため冊子にし、公判に参加できなかった人にも広めることにした。

　千部発行。六日前後に広島市内で開かれる市民集会などで、希望者に八百円で分けるほか、郵送にも応じる。足立修一法律事務所Ｔｅｌ０８２（２１１）２４４１（森田裕美）

【写真説明】国際民衆法廷が出した判決文の日本語と英語版を収めた冊子