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被爆史に光 ヒロシマの碑、地図に '07/8/6

 原爆の日を前にした5日、犠牲者の冥福を祈る営み、被爆体験を次世代に継承するための活動、行事が広島市を中心に繰り広げられた。参加者らは62年前に思いをはせながら、恒久平和の実現に向け決意を新たにした。

 被爆の痕跡を訪ねて地図を作るワークショップが広島市中心部であった。児童や学生ら十五人が参加。街角の記念碑をあらためて見つめ、被爆地の歴史についての理解を深めた。

 四班に分かれ、市まちづくり市民交流プラザ(中区)を出発。原爆ドームや広島城の周辺を約二時間かけて歩き、点在する記念碑や被災説明板などを汗だくになって探した。

 同プラザに戻った各班は、現地の写真や説明文が入った地図をパソコンで作成し、スクリーンで発表。被爆者から被爆直後の街の様子も聞いた。袋町小六年の青野眞子さん(11)は「普段は見過ごしていた碑もあった。それぞれに多くの人が思いを込めたことも分かった」と話していた。

 地理情報システム学会中国地方事務局の主催で、昨年に続き二回目。会員で広島女学院大非常勤講師の竹崎嘉彦さん(49)は「地図は風景をイメージさせ、被爆者と子どもが情報を共有しやすい。若者がヒロシマの継承を考えるきっかけになれば」と期待していた。(岡本圭紀)

【写真説明】被爆者(手前右)に当時の状況を補足してもらいながら、自作の地図を発表する児童たち


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