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詩で語り継ぐヒロシマ 平和記念公園で朗読会 '07/8/8

 詩の朗読を通じて平和のメッセージを発信する朗読会「声をともして」が六日夕、広島市中区の平和記念公園であった。

 呼び掛け人は、福山市神辺町出身の童謡詩人葛原しげるの曾孫に当たる詩人の葛原りょうさん(29)ら東京で活動する若手詩人たち。東京のほか茨城県などからも参加。広島出身の長津功三良さん=岩国市=ら地元の詩人、また飛び入りの人も加わった。

 それぞれが原爆や反戦などをテーマにした自作詩を朗読。原民喜「水ヲ下サイ」、栗原貞子「ヒロシマというとき」などの詩も朗読した。

 呼び掛け人の一人である詩人港敦子さん(35)=東京都府中市=は「もっと先を見る目と聞く耳を持って伝えるのも詩人の役割」と、北米のネーティブアメリカンに伝わってきた「平和の偉大さ」をたたえるメッセージを朗読した。

 「平和を願い、訴えている詩人がいることを知ってもらいたい」と葛原さん。しげるの三女である祖母から二人の兄を戦争で亡くした話を聞き、三年前から原水爆禁止の世界大会や平和記念式典などに参加している。「広島にやってくると反戦詩が自然に生まれる。今後も毎年続けていきたい」。ヒロシマを語り継ぐ新しい芽が育ち始めている。(伊藤一亘)

【写真説明】各地の詩人が参加した朗読会「声をともして」。右端が葛原さん(広島市中区の平和記念公園)


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